【Q&A】引出物の由来~いつから始まった?~
Q:引出物はいつから始まったのでしょうか?またその語源は?
A:昔は贈り物のことを 「引出物」、「贐(はなむけ)」、「進物」、「つと」などと言っており、それぞれに深い意味が込められています。
平安時代には旅をする人には馬を贈るのが常でした。そこで馬屋から引き出して客に贈ったところから「引出物」という名前がついたようです。
また、旅をする方角に馬の鼻を向けて贈ることから「馬の鼻向」(はなむけ)と言いました。
次に「進物」とは、品物を進呈することであって、「贈り物」「おつかいもの」となります。「つと」とはその地の産物を藁などで包み、携帯に便利にしたものであり、「みやげもの」(いえづと:我が家に持ち帰るみやげもの)の意味に使われていました。
(「包みの文化:額田巌著、東洋経済新報社より」)
古い文献、宇津保物語(平安中期:作者不明)の「菊の宴」という章に「・・引出物賜る」という記述が出てきます。また宇治拾遺物語には「引出物の馬を引きたてる」との記述も出てきます。それ以前から「引出物」はあったということですね。
最近では引出物とは、結婚式の時の手土産をいうようになりましたが、もともとはそういった意味があったのですね。
何気なく使っている「引出物」という言葉にこんな歴史があったとは驚きですね!
2016年1月26日 | サンエツブログ