【Q&A】「のし」の正しい使い方は?
ギフトを贈る際にはつきものの「のし」。
何気なく「のしをかけて…」などと言うものの、いざ「のし」を贈り物にかけるときには、どうするのが正しいのだろう、と迷われることも多いようですね。
今回は、そんな「のし」の使い方についてのよくあるご質問にお答えしていきます。
Q 1. 贈り物にかける「のし」は、「内のし」と「外のし」、どちらが正しいのですか?
A. のし紙のかけ方には、のしをかけた上に包装紙で包む「内のし(中のし)」と、包装した上にのしをかける「外のし(上のし)」があります。
そもそも「のし(熨斗)」は、「熨斗鮑(のしあわび)」に由来があります。
あわびは長寿な生き物であることから、古来長寿を願う縁起物とされていました。
神饌として納められたり、またおせち料理の一品とされたりすることからも、現在でも縁起が良いと考えられていることがうかがえます。
そのあわびを薄く削って平たく引き伸ばし、乾燥させたものが「熨斗鮑」で、祝い事の贈り物に添えられたのが始まりであるといわれています。
現在は紙に印刷した「のし紙」を使用するのが一般的ですね。
一方、包装紙は、本来は風呂敷の代わりとして、贈り物を保護するものとされています。
それゆえ、風呂敷で包んだ上に「のし」をかけるのは一般的とは言えないため、「のしをかけた上に包装をする(内のし)」のが正式であると言えるでしょう。
ただし、「外のし」にて「のし」をおかけするケースも多々あり、「外のし」のすべてがマナー違反というわけではありません。
スポーツ行事などの催事の景品や、各種表彰の記念品など、皆様の前で渡されるギフトは「外のし」にてご用意されることが多くみられます。
お引越しなどのご挨拶や、赤ちゃんのお名前のお披露目も兼ねる出産内祝、ご結婚の引出物など、「のし」にお入れになるお名前などを強調したい場合などにも、よく「外のし」が使われます。
一般には「内のし」が多いですが、時と場合によって「内のし」「外のし」を使い分けると良いでしょう。
Q 2. のしをかけ、包装した上にリボンをかけたら、友人から「のしとリボンの両方をつけるのはおかしいのでは?」と言われました。どうしてでしょうか?
A. 「のし」は、日本古来の贈り物の風習です。
Q. 1 でもお答えしている通り、由来は「熨斗鮑」と言われていますが、実は『日本書紀』にも「鮑を贈る」との記述があるとのことです。
一方で、リボンは装飾品として、ギリシャ・ローマ時代から西洋で広く用いられており、現代では贈答品のラッピングにも使用されています。
日本には明治期以降に輸入されてきたとのことですが、元来は西洋のものです。
のし紙は「和風」、リボンは「洋風」の包装様式ということですね。
つまり、のし紙をかけ、さらにリボンを結ぶのは、贈り物としての体裁を二重にするように見えるのかもしれません。
ご友人は、そう思って「おかしいのでは?」とおっしゃられたのかもしれませんね。
特に非礼というわけではありませんが、どういった贈り物か、どなたに渡すか、ということを踏まえて、のし紙とリボンは使い分けると良いのではないでしょうか。
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贈り物に関すること、タイミングなど、是非何なりとお聞かせくださいませ。